多発性骨髄腫

多発性骨髄腫とは

 

多発性骨髄腫とは、血液細胞の1つである形質細胞という細胞のガンになります。
この形質物質がガン化して異常物質になると、体の中で異常に増殖して発病します。

 

この病気が多発性骨髄腫やその他の形質物質ガンとなっていきます。

 

 

多発性骨髄腫では、増殖した骨髄腫細胞によって正常な過程を作り出していく過程が妨げられます。このために、貧血、息切れなどの症状が出てきます。
更に骨髄腫細胞が異常免疫グロブリンを大量に作り出すために免疫機能の低下、腎障害、血液循環の障害が起こります。

 

このことにより、肺炎や、尿路感染症などの感染症が起こりやすくなってきます。

 

更に骨髄腫によって骨の組織が破壊され高カルシウム血症、骨の痛み、骨折なども起こる可能性もあります。

 

多発性骨髄腫の発病の原因は明らかではありません。
しかし、放射線の被曝、化学薬品の影響、ダイオキシンなどは原因ではないであろうかともいわれています。

 

また、40歳以下の発病というのはほとんどなく、性別では、やや男性のほうが多い傾向があります。10万人に2〜3人が、1年間で発病するといわれています。

 

最近では、検診や人間ドックの血液検査で異常が確認され、精密検査で診察される事が増えています。

 

検査方法

 

多発性骨髄腫の検査方法としては、血液中の異常蛋白や、血液の異常が見られるために、血液検査や尿検査を中心に異常がないかを調べていきます。

 

 

また、診断を確定するために、骨髄液を採取したり骨髄組織を採取したりして、顕微鏡でガン細胞の検査をしていきます。

 

治療方法について

 

多発性骨髄腫の治療を進める上で大事な事は、1つ目ハ経過によって治療法が変わるということで、初期治療で得られた効果を維持させるために行う維持療法、再発、再燃、難反応に対する治療などに分けられます。

 

2つ目は、従来からの実績に基づく標準的な治療と、新しい研究治療があるということです。

 

3つ目は、骨髄腫は重大な合併症を引き起こす可能性があるため、骨髄腫そのものの治療より合併症の治療を優先させる場合があるということです。

 

抗がん剤治療

 

抗がん剤治療には、標準的な2つの薬剤を使う方法と多くの抗がん剤を使用する多剤併用療法があります。
腎障害や全身状態が悪い場合、速めの効果が期待できる多剤併用療法が薦められます。

 

大量化学療法

 

造血幹細胞移植は大量の抗がん剤を投与して可能な限りガン細胞を殺し、その後本人の造血幹細胞を点滴するという方法で、生存期間を延ばす効果が期待できます。

 

造血幹細胞移植には自分の組織を移植する自家移植と他の人の組織を移植する同種移植がありますが、骨髄腫には安全性の高い自己幹細胞移植が主に使われます。

 

維持療法

 

今まではMP療法をはじめとした抗がん剤治療が行われていましたが、インターフェロンヤプレドニゾロンが用いられる事もあります。

 

インターフェロン

インターフェロン皮下注射は、生存期間を延ばす効果がありますが、間質性肺炎、うつ病などの副作用もあるため、注意が必要です。

 

 

その他の骨髄腫独特の治療法

最近での治療法では、生存期間を延ばす効果がいまいち期待できないものが多かったのですが、最近では新しい薬のサリドマイド、ボルテゾミブなどが、再発、難治の患者さんに対して一定の有効性か認められています。

 

サリドマイドはまだ日本では承認、許可はされていませんが、ボルテゾミブは日本で使用可能になっています。

 

研究段階の新しい治療

 

サリドマイド、ボルテゾミブとは別に、レナリドマイドという薬が骨髄腫の難治例に効果があるという報告があります。

 

白血球などの減少の副作用がサリドマイドに比べ強いのですが、末梢神経障害や消化器症状などの副作用は少ない薬と考えられています。

 

ほかにかミニ移植という方法も検討されています。

 

移植された幹細胞が作るリンパ球によって残った骨髄腫細胞を攻撃していく方法です。
しかし、あくまでも新しい方法ですので、研究段階ということもあり、有効性に対する評価は高まっていないのが現状です。

 

腎障害

 

多発性骨髄腫では、腎障害を起こします。
また脱水や検査時に使う造影剤の痛みを抑えるための鎮痛剤の投与でも腎障害が悪化します。

 

このような時の対処としては、輸血や電解質補正が行われたりします。
ですので、普段からの水分補給に心がけていなければいけません。

 

感染症

 

骨髄腫の場合、免疫力の低下が著しいために感染症にかかりやすくなっています。
日常生活での感染にも十分注意していなくてはいけないため、特に治療中は医師の指示に従ってください。

 

 

 

 

骨髄腫の経過観察と再発、転移など

 

骨髄腫の治療後は、白血球減少、貧血、肝機能障害、腎機能障害、肺障害などの確認に検査を要するために自分では気付かないものもあります。

 

ですが、適切な支持療法によって軽減させる事が可能です。

 

放射線の副作用で肺炎、食道炎など考えられるので抗がん剤、放射線治療の後は、定期的に通院して担当医と相談する事が大事です。

 

 

再発

 

多発性骨髄腫は、治療によって状態が良くなっても再発する可能性の多いガンです。
うまくいった場合でも7割の患者さんが再発するといわれています。

 


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多発性骨髄腫について

多発性骨髄腫についての説明です。
ガンは様々な症状や治療法がありますので、しっかりとした知識身につけましょう